名古屋公演の「シェヘラザード」
‥‥‥‥実は、私にはこう見えました。(爆)
ザハロワ&ルジのシェヘラザードを3回観てしまった今となれば、なぜ初めて観たザハロワゾベイダの舞台姿に、こんな突拍子もない物語を描いてしまったのか何となく理由は見えるのですが、その時は自分でもびっくりしました(笑)。マハリナを含め今まで何人かのゾベイダのシェヘラザード舞台を観てきたけど、一度だってそんなふうに見えたことはなかったので。

(と、言うことで、以下の感想は妄想色(それもかなり特殊な^ ^;)の強いものになります。そういうのが嫌いな方は読まない方が賢明ですのであしからず。苦情は受け付けません。笑)
クラシコです。
開始3分でラウールの先制ゴールです。後半すぐにニステルも入れてくれました。
イケル君もエルゲラもカンナもセルヒオもロベカルもエメもディアラもグティもロビーニョもニステルも、みんなみんな、最高!
ラウールは、まさに“エル・カピタン”の呼び名に相応しい闘将ぶり。超カッコ良い‥‥(溶けた)

勝ちました!!!!!!!!きゃーーーーっ(歓喜)

寝てないのでハイです。
これから仕事に行きます。ああ、幸せ‥‥
今回のシェヘラザードを観てて、幾度となく頭に浮かんだフレーズは、「こんな“磁力の塊”みたいな存在から、あんな全身全霊をかけた、もの凄い迫り方をされるのって、どういう感じなんだろう‥‥」‥‥‥‥‥‥でした(笑)。

体験してみたい(そんな滅相もないっす)とか、羨ましい(いやもちろんとんでもなく羨ましいですが)と言う気持ちに繋がるのじゃなくて、単純に、自分と切り離した部分から、そんなフレーズが、あの金の奴隷とゾベイダ(特にザハロワ)のパ・ド・ドゥを観ている間中、グルグルとリフレインしたのよね。
なんかね、アレを受けて、相手に許される選択肢って2つしかないよなー、
「逃げる」か「のめり込む」か、ふたつにひとつだなー‥‥と、妙に納得してしまったよ。(笑)

思えば、1月のシェスタコワ&ルジの「白鳥の湖」を観たときも、オディールとジークリートのパ・ド・ドゥを観て、「もし、自分の恋人が、“全く同じ姿形のまま”中身がすり替わっていたとしたら、人間はその真贋を果たしてすぐに見抜くことができるだろうか?」とちょっと真剣に考え込んでしまったのよね。
「白鳥の湖」のストーリーはお伽話の最たるもので、オデットに身を変えたオディールにジークフリートが騙されるのはもうお約束中のお約束という認識で今さら疑問に感じることさえもないぐらいだけれども、その時のシェスタコワとルジマートフからは、そういう、妙な迫力を持って自分に迫ってくる“真に迫まり方”というか、現代性みたいなものを強く感じたのよね。
ドラマティックと言うだけでは足りないし、でもリアルなお芝居かというとそうでもなくて、舞台にあるのは紛れもなく美しいバレエの様式美の世界。
でも、目の前の空間には、間違いなくその世界を“生きている”二人がいて、舞台にいないときにも、どういう会話を交わしてどういう行動をしているのかが自然に想像できる。
舞台に引き込み、のめり込ませる力が強いというか‥‥共振力とか共感力、みたいなものでしょうか。
だからこそ、ルジマートフの舞台は、あんなにも限りなく、多くの観客の「妄想」を呼ぶのだと思います。(笑)

で、この話がどこに続くかというと、今回の「シェヘラザード」も、私にとっては、たくさんの妄想を思い起こさせた、非常に嬉しくも素晴らしいものだった、と。(笑)

ということで、この週末にちびちびと楽しみながらその中身を書いていこうと思っていたのに‥‥‥‥残念ながら仕事が終わらなくて今週も週末出勤。
とりあえずココまででタイムアップとなりました。
続きはまたのちほど〜
ファルフ・ロスになるヒマもなく、仕事に忙殺されています。
まあ、先週やるはずだった仕事の時間を、名古屋だの宇都宮だのに差し替えて先延ばししたので、当然といえば当然の事態ではあるのですが(笑)。
と、いうことで、掲示板のレス及びメールのお返事は週末にまとめて。
最終日の15日分を含めた今回の「ルジマトフ&インペリアル・ロシア・バレエ」公演の感想もその頃までにはなんとかしたいとはおもうのですが‥‥ううむ、難しいかも。
とりあえず「アダージェット〜ソネット」についてだけ、少し書きます。


今回、この作品を踊るルジマートフを観て、一番強く感じたのは、「詩情」でした。

前回は霊的な(スピリチュアルといった方が近いのかな)ものをすごく感じたし、その前は高い精神性を強く感じました。
いずれにせよ、とてもストイックで孤高性が高く、敬虔な気持ちになるような、「魂の世界」だったという微かな記憶があるのだけど、今回は、うーーん‥‥‥‥なんと言えばいいのかな、もっと‥‥ナイーブで柔らかい、有機的な、「語りかけ」みたいなものを自然に感じました。
実際にルジマートフがメッセージを込めて踊っていたかどうかは別としてね。

たとえば、それ自体がひとつの生きもののように、意味を持って何度も象徴的に使われる彼の大きな手。
そこに羽が生えていないのが不思議に思えるほどの圧倒的な神性を持って動く背中。
ルジマートフの美しい身体は、ただそこにあるだけで、ある種のエロスと神秘性と、深い物語性をたずさえています。
口元に指をおき、遠くにある愛しいものへ口吻を投げるような仕草。けっして合わさることのない2つの手のひら。手を開きその中にあるものを観客に見せた時の泣き笑いのような表情。遙か遠くへ消えていく「大切なもの」を追う瞳。
彼が、ダンスの端々に見せた、いくつかの具体的なイメージを想起させる動作は、憧憬や寂寥や憂愁や煩悶として目に映り、私のセンチメンタルな気持ちを揺さぶりました。
私がそこから受け取ったのは、たぶん、ルジマートフ自身の、生き様のようなもの。それを、自分がいかに愛し尊敬しているか、自分自身の人生において大切なものだと思っているのか‥‥‥‥そういうことをまざまざと感じながら、10代の少年のような青春の瑞々しさと40代の芸術的達観を同時に見せる、不思議な舞踊家のダンスを4回見守りました。
ヘンな言い方ですが、今まで観た中で、一番わかりやすい、人間的で開放的な「ソネット」だったと思います。

・・・・・・・・・

エミリ・ディキンソンの詩に「This is my letter to the World」というのがあります。

これは世界にあてた私の手紙です
わたしに一度も手紙をくれたことのない世界への──
やさしい威厳を持って
自然が語った簡素な便りです

そのメッセージをゆだねます
まみえることの出来ぬ人の手に──
──自然への愛のためにも──気だて良い──同胞のみなさん
やさしく裁いてください──わたくしを
                             (訳:亀井俊介)


ディキンソンが自分の詩に託したこの想いと、ルジマートフがあのダンスに託したものが同じだと断言する気はありません。(笑)
でも、たぶん、彼の今回踊った5回の「アダージェット〜ソネット」は、いつもにも増して“観客にゆだねられている”部分が多かったのだろうと、推測することは出来ます。
だから、同じ舞台についての感想を語っても、驚くほどに観客それぞれの感じたことや受け取ったものが違うし、5日間中のどの日のパフォーマンスが良かったかという意見も人によって分かれます。
共通するのは、「信じがたいほどの美しい肉体」だったということのみ。
あとは、彼の誠実さや真面目さがすべて。舞台に何を観るかは観客次第。そういう作品に仕上がっていたような気がします。

・・・・・・・・・

しかしそれにしても!
本当に、なんという美しい生きものだったことでしょう、この作品中のルジマートフは!
冒頭の、横たわった上体を静かに起こし、両腕を挙げ背中の動きを見せる動作。ゆっくりと顔を左右に向け交互に見せた神秘的な横顔。天上からの照明を受けて発光する幽玄なる肉体。
身体のラインとか筋肉の付き方以前に、内側から、細胞レベルで美しい。
あんな凄いものは、本来は時空の狭間とか宇宙空間にあるものであって、新宿文化センターの舞台上に普通に存在すること自体が奇跡だと思いましたわ‥‥(笑)。
ま、ルジマートフの場合、その美がすでにデフォルトであり、彼の芸術の出発点なんだけどね。

と、いうことで、最後にふたたびディキンソンの詩。



詩人はランプに火をともすだけ
みずからは──消えていく
詩人は芯をかき立てる
もし生命の光が

太陽さながら、そこに宿るなら──
それぞれの時代はレンズとなって
押し広げます
円周を──
栃木公演の続き。まとめる気力がないので散文的に。

「アダージェット〜ソネット」

確かな振付という頼るべき拠り所がないまま、舞台にひとり。マーラーと対峙するルジマートフ。
それがどんなに困難で恐ろしいことか、自分を絞り出すことを必要とされているか、
ほんの少しだけだけど、私にもわかる。
あれは、とても正直な彼の姿。
彼が今、自分の持つ精一杯の技術を持って、すべての観客に語りかけたいもの。
とても苦しくて、受け入れてもらえるかまったくわからなくて、でも、舞台に立った以上、表現しなくてはいられないもの。
表現者? 創作者?  ──いや、あれは、たぶん、“ダンサー”ルジマートフのそのままの姿。
だから、とてもナイーブで優しい。
差しのばされる手。何度も何度も、上に、ではなく、前に。 憧れを持って差しのばされる手。
愛しいものを手放す日。
空へとのぼる“それ”に、もう手は届かない。
見送る目。遠くに。
それでも、歩いていかなければいけない。
足元を見る。しっかりと一歩を出す。
自分はここにいる。


観ているときは「凄い!」って感動して、「もしかしてこの人は、ものすごい高みに今いるのではないだろうか、一体どこまで行くのだろう」と空恐ろしくなって、でもカーテンコールで袖にはけていく彼をみたときに、不意に「ルジマートフは昔からひとつも変わっていない」と強く感じて、それにまた感動して。
それからは大変でした。続く「瀕死の白鳥」も「ワルプルギス」も、気がついたら頬を涙が流れている状態で観るはめに‥‥(笑)
15日はどういう舞台になるのだろう。私は何を感じるのだろう。
あと一回しか観られないのか〜〜‥‥(残念)


「シェヘラザード」

いやあ、ルジマートフという人は、本当に、“自分の”相手役選びに長けた人だなあ、と、思いました。(笑)
なるほどゾベイダ役に今のザハロワを呼んだのには意味がある。マハリナ2回でザハロワ3回というのにも、たぶん意味はある。
ザハロワの表現力の未熟さや精神的幼さ(あくまでも舞台での印象ね)は、そのままゾベイダという若い愛妾の魅力となり、物語に思いがけない効果をもたらしていました。
金の奴隷との禁断の密会。それは、彼女の初恋にして最後の恋だったのではないでしょうか。
ゾベイダはシャリアール王を敬愛しているしその第一の妻としてのプライドも持っている。でも、それは、あくまでも庇護される側としてもの。

金の奴隷は男性、でした。
とてもとても強い、セクシャルな魅力を持つ男性。1度目にしたら目を離すことが出来ないほどの強い磁力。
牢に閉じこめられている間中、彼はゾベイダを求め、彼女の姿を夢に見て、彼女の肌に恋い焦がれます。
宇都宮で観た「シェヘラザード」は、そんな、とても男性的な魅力に溢れたセクシャルな金の奴隷(なんつーか、エロスの化身のようだった)と、幼く気高いゾベイダの、刹那の恋物語でした。(繰り返すようですが、あくまでも私の印象ですからね〜^ ^;)

パ・ド・ドゥが終わったあと、二人は瞬時に、奴隷と姫(愛妾なんだけど何となく姫っぽいのよねザハロワのゾベイダは)の関係に戻ります。身体を床に着け低く跪き、ゾベイダの足に接吻する金の奴隷。頭上から満足げにそれを見下ろすゾベイダ。
ルジマートフの金の奴隷は、この日はひとときもゾベイダから目を離しませんでした。
驚いたことに、ゾベイダに命じられてセンターで踊るときも、下手にいるゾベイダを見つめているのよ。
美しい孔雀の雄の求愛行為みたいだわ、と思ったりして。(笑)

うーん、やられました。ファルフだけにではなく、二人に。
すごくエロスの充満した舞台だったんだけど、同時に純愛でもあるように見えたのよ。
ルジマートフとザハロワの身体のラインが完全に一体化して、その瞬間だけはこの上もなく幸福な二人にも思えました。
だから、とても切なくて、美しくて、ちょっと泣けた。
同時にドキドキして、まあ、要するに舞台に翻弄されたワケです。(笑)

こちらも残すところあと一回か‥‥‥‥。うう、悲しい。
10/13(金)18:30 栃木県総合文化センター 大ホール

名古屋よりは楽に行けるかと思っていましたが、宇都宮って、遠いのね‥‥
またもや仕事をむりやり切り上げ(おかげで本日も休日出勤だよー^ ^;)、駆けつけました、栃木公演。
はい、8日も11日もかろうじて保っていた鑑賞者としての理性の防波堤が、ついに崩壊しました(笑)。
ものすごい勢いで自分が舞台に引きずりこまれる快感と、認識するより早くダイレクトに心に届く感動。
実に、ルジマートフらしい、素晴らしい舞台だったです。
ルジの踊った2演目はあとにして、とりあえず Bプロの感想を。

第1部
「プレリュード」 音楽:バッハ 振付:ミロシニチェンコ
ユリア・マハリナ

薄い水色のロマンティックチュチュ(上はピッタリとした同色のレオタード)とポワントで踊られる、叙情的なモダンバレエ作品。
レッスン的な振りが随所に盛り込まれ、バレリーナとしてのマハリナの今までの軌跡を思い起こさせるような哀切もあり、長い間彼女を観てきたキーロフファンとしてはちょっとうるっと来るような小品でした。
振付家のミロシニチェンコはマリインスキー出身の若手振付家。こちらに詳しいです。

「ダッタン人の踊り」 音楽:ボロディン 振付:ゴレイゾフスキー/タランダ
ジャニペク・カイール(クマン)、アンナ・パシコワ(チャガ)、キリル・ラデフ(騎兵)、エレーナ・コレスニチェンコ(ペルシア人)、インペリアル・ロシア・バレエ

革命後のロシアでもっとも革新的な振付家と言われたゴレイゾフスキー(1892〜1970)版にタランダが手を加えたもの。プログラムによるとマラーホフやツィスカリーゼのレパートリー「ナルシス」もこの振付家の作品らしいです。
と、いうことで、この間のルジガラで踊られたコフトゥン版に比べると由緒正しき“正統派”なダッタン人という印象(笑)。オペラ「イーゴリ公」の中にこれが挿入されていたらそりゃ贅沢な気分になるでしょうねぇ‥‥
ただ、この公演の最大の弱点である「質の悪い演奏テープ」が祟って、本来発散されて来るであろうダイナミックな迫力や、中央アジアな野性味が、やや散漫なまま空しく舞台空間に消えていくのはちょっと残念な気がしました。ダンサーたちのパフォーマンス自体はとても良いし、一生懸命に盛り上げようとしているのもわかるだけに、もう少しなんとか盛り上がらないもんかなーと。
太りすぎが気になるカイールも、野性的な魅力のチャガのパシコワも、柔らかいコレスニチェンコも良かったですが、やはりワガノワ出身のキリル・ラデフくんは一段階レベルが違うという感じ。見事なダンスでした。

「瀕死の白鳥」  音楽:サン=サーンス  振付:フォーキン
ユリア・マハリナ

マハリナが踊るのはたしかイザベル・フォーキン(フォーキンの孫娘)が監修した版で、プリセツカヤが踊るものやマリインスキーで今踊られているものとはやや振付が違うはず。(←うろ覚えなので自信ない)
彼女らしい妖艶と孤高感がミックスされたマハリナ独特の柔軟性の高い白鳥で、何度観ても良いです。

「ワルプルギスの夜」 音楽:グノー  振付:ラブロフスキー(父/子)
キリル・ラデフ(バッカス)、リューボフィ・セルギエンコ(巫女)、アレクサンドル・ロドチキン(バーン)、インペリアル・ロシア・バレエ

オペラ「ファウスト」の一場面にして、モスクワ派のお家芸「ワルプルギスの夜」。
日本ではなかなかちゃんと観る機会がないだけに、とにかくこのロングバージョンを上演してくれたこと自体に感謝です。ダンス間の繋ぎに多少もたつきがあって、迫力という点では2年前に観たロシア国立バレエ団の方がたたみかけるような面白さがあった気がしたけど、今回のインペリアル・ロシア・バレエ版には古き良きモスクワ派ロシアバレエの香りがします。タランダ仕込みの鷹揚さやはっきりとした芝居味もあって、こちらはこちらでゆったりと楽しめました。
こちらもバッカス役のキリル・ラデフくんがアタマひとつ抜けた出来。
10/11(水)18:30 愛知芸術劇場

行ってきました。(爆)


いやあ、行きたい行きたいと念じていたら、なんとかなるものですね。
気がついたら新幹線に乗っていました。
恋って怖いわー(笑)

でも、新幹線往復代&仕事のロス&職場関係のひずみ(笑)のリスクを負っても、自分的には充分におつりの来る舞台でした。いやあ、ルジマートフって、どうしてあんなに素晴らしいダンサーなのでしょ。こんなに幸せにしてくれる人も、こんなにドキドキさせてくれる人も、こんなに美しい人も、他にはいない。
「アダージェット〜ソネット」の冒頭、ルジマートフの腕がすうっと上がった瞬間、「この舞台を観られて良かった‥‥」という想いで胸がいっぱいになりました。
無理をしても観に行って、本当に良かったです。

当日券で入ったので、本日の席は2階の真ん中あたり。
いつもは前方で観ることが多いので、すごく新鮮で、これもまたよかったです。
特に「アダージェット〜ソネット」では、退いて観ることで、舞台上にルジマートフの形づくる「空間」が見えた気がした。
うーん、上手く言えないんだけど‥‥‥‥空間の中に何か特別な生命体があって、それを中心にエネルギーが動いているというか‥‥‥‥。
表情や細かい表現が見えないぶん、ダンサーとかルジマートフという前に、
“この生きものはなんだろう”とか、“なんて美しく動く生物なのだろう”とか、“彼はどこから来て、どこへいくのだろう‥‥”とか、そんなことばかりが、アタマに浮かんでは消えていきました。
(‥‥‥‥言葉で表現しようとすると、ちょっとオカルトチックですね‥‥^ ^;。感じたことは、たぶん、もっと純で自然なものなのだけど)

本日の「シェヘラザード」のゾベイダ役はザハロワ。
Aプロのマハリナとはまったく違うゾベイダ像で、こちらもすごく良かったです。
なんつーか、とにかく、「バレエのシェヘラザード」として見応えあるパフォーマンスなのよ。「上手いって素晴らしいことなんだなー」としみじみ思いました。
つられたのかファルフの金の奴隷もかなりハイレベルな出来で、本当に素晴らしい「“フォーキンの”シェヘラザード」な舞台に仕上がっていました。
うん、私は好きだなー、ザハロワのゾベイタ。
もちろんマハリナの方が温かみや柔らかさや可愛らしさがあってドラマとしてのふくらみが大きいけど、ザハロワとルジのこちらのバージョンも、なかなか妄想のしがいのある鋭いドラマ性のある舞台になっていたと思います。(あまりにも特殊な妄想なので公表は避けるけど。笑)。

Bプロの演目、マハリナの「プレリュード」も「瀕死の白鳥」も、インペリアル・ロシア・バレエの「ダッタン人の踊り」も「ワルプルギスの夜」も、それぞれ良いパフォーマンスで、作品的にも見応えありましたよん。
これからBプロをご覧になる皆さん、期待してOKですよ〜〜
インペリアル・ロシア・バレエとの「シェヘラザード」
本日(10/8)の初日は、予想通りオーソドックスバージョン。
なので、終わってみると、私にとっては「タランダ!」な舞台でした。(笑)
あのシャリアール王は反則だわ〜〜。かっこよすぎるし魅力的すぎるよ〜。ゾベイダに死なれてしまったあとの彼の心の痛みを思って最後は泣けましたわ。タランダは更に貫禄がついて顔も丸くなっていましたが、あの深みのある演技力と確かな存在感、第一級の役者だけがもつ凄みと魅力は健在。ルジ金の奴隷にマハリナゾベイダにタランダシャリアール王。なんて濃厚でエロエロなキャストなんだろう‥‥ああ贅沢‥‥。

マハリナは前回よりも腰回りが細くなって、マダム度よりも美妃度が増した印象。
記憶にある超人的な背中の反りなどが無くなったことに一抹の寂しさを覚えましたが(前までは、ファルフと二人のラインが、本当に絡み合う蔦のような見事なアラベスク模様を描いていたのよ〜)、本当に美しく、愛らしく、妖艶で、思い通りにならなさそうで、いわゆる男が「モノにしたい」と思うような魅力をすべて備えた「ふるいつきたくなる美女」。
こんな美女を寵姫にもっていること自体が英雄の証。タランダ(いや、シャリアール王ですが)、大物だなあ‥‥と、妙なところに感心してしまいました。私も男だったら一度はこういう愛人持って苦労してみたいぞー(笑)。

ファルフの金の奴隷は、初日バージョン。
なので、最初は、ややおとなしめかな?と思いました。彼独特の見得を切るようなアクセントも少なく、登場の瞬間から発散される匂い立つようなフェロモンもやや薄め。
‥‥が、ゾベイダとのパ・ド・ドゥが進むウチにどんどん熱く、色っぽさも増幅されてきたという印象。この「金の奴隷とゾベイダとのパ・ド・ドゥ」が、二人の情事(ま、有り体に言えば SEXですな)を表していることは振付を観てもわかるとおりですが、この初日に演じられたそれは、私には「初めての情事」に見えました。
───と、言うことでいきなり妄想タ〜イム(笑)。



後宮での生活に飽き、刺激を求める王妃がいる。
そんな彼女に王は、異国から、珍しい踊りを踊る美しいダンサーたちを買ってきた。
彼女はその中の第1舞踊手に目を付ける。彼を自分の虜にさせてみたい、と。

彼もまた、美しい王妃を好いていた。奴隷として王宮へ連れてこられた彼に、優しい言葉をかけてくれたのは彼女だけだったから。
だから、彼女に誘われたときは、驚きながらも名誉なこととして受け入れた。奴隷として主人の要求に応えるのは当然の務め。たとえそれで王に殺されることになったとしても、それもまた、奴隷として買われてきたものの運命。

だが、情事が終わったあとで、彼の中にまったく新しい感情が生まれる。
「愛しい」という感情。「離れたくない」という欲望。
彼は初めて、自分の意志で王妃に接吻し、その身体を抱きしめる。女神をみるような熱っぽい目で彼女をみつめる。自分を愛して欲しいと、彼女に無言で訴える。
王妃は喜ぶ。彼が完全に自分のものになったことを。その恭順を心から愛しいと思う。
恋の始まり。
奴隷と主人であり男と女である関係が甘露のような媚薬になり、その情熱に命をそそぐ。
金の奴隷に自由はない。でもこのひとときの饗宴は彼と王妃のためにある。
この上ない官能、法悦、高揚感、そして死──────。




とまあ(笑)。私にとっては、クライマックスまではこういう感じに見えました。(で、ラストでいきなりタランダのシャリアール王に陥落するわけですが。笑)
マハリナがすごく楽しそうで妙に可愛らしかったのが印象的だったなー。
ルジさんの調子も良さそうで、鋭い跳躍も見事、回転もいつもながら綺麗で嬉しかったです。
ああ、やっぱりファルフのシェヘラザードっていいな〜〜‥‥‥‥
あと100回は観たいぞ。

と言うことで、とりあえず8日の初日感想は終了。13日の栃木公演と15日の東京公演のチケットを買ってあるので、少なくともあと2回感想を書くことになると思います。(ホントは名古屋も行きたいんだけど‥‥無理だろーな〜‥‥)
あ、そうそう、関係者の皆さま、ファルフさんに、「もうちょっとメイクは薄くしてもOKよ!(特にアダージェット)」とできれば伝えてあげてください(笑)。初日、ちょっと濃かったです〜。(←ファン的ダメ出し)
10/8(日)15:00 新宿文化ホール

第1部

「カルミナ・ブラーナ」音楽:オルフ 振付:ムルドマ
インペリアル・ロシア・バレエ

「アダージェット(ソネット)」音楽:マーラー 振付:ドルグーシン
ファルフ・ルジマートフ

第2部

「シェヘラザード」音楽:リムスキー=コルサコフ 振付:フォーキン
ユリア・マハリナ、ファルフ・ルジマートフ、ゲジミナス・タランダ

4ヶ月ぶりのルジ来日公演。そして、インペリアル・ロシア・バレエを観るのも5年ぶりです。
マハリナ&ルジの「シェヘラザード」は2年ぶりですが、まあ、この二人のこの演目はもう鉄板だし、ルジさんの金の奴隷は世界遺産級なので、ラスプーチンの時のような不安感(笑)はなく、ひさびさにウキウキした気分で新宿文化センターへ。
期待通り、素晴らしい舞台でした。(初日なのにブラボーと花束の嵐で最後は2階席までスタンディングオベーション。会場の熱さにちとびっくり)

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「カルミナ・ブラーナ」は、まあ、いわゆる「旧ロシアのモダンバレエ」。
幕開きの群舞を観て「お、いけるかも?」と一瞬期待したものの、それ以降の、延々と続く凡庸な振りにすっかり退屈してしまいました。何を表したいのかがわかるよ〜なわからないよ〜な野暮ったい演出も微妙。(ま、これはロシア系モダンバレエの宿命のような気がするが^ ^;)
音楽に合わせていちいち律儀にクラシカルなパが振付けられているところなど、バレエに誠実な振付家が真面目に作った作品だな、という意味での好感は持ちましたが、この曲から当然喚起されるはずのカタルシスに近い感動はほとんど沸いてこなかった。これを見てしまうと、新国立バレエで上演されたビントリー作「カルミナ・ブラーナ」がいかに機知に富んだ作品だったのかがよくわかるなあ、と。(笑)
インペリアル・ロシアバレエは名キャラダン率いるモスクワ系バレエ団なので表現はこなれていてそれなりに上手。でも肝心のダンス技術力は総体的に弱くなったかな?(団員ずいぶん入れ替わった?)。特に男性ダンサーには「君は舞台に立っちゃいかん」と言いたくなる人も若干名。ソロを踊ったキリフ・ラデフというダンサーはだけはちょっと別格で良かったです。
女性はグラマラスなロシア美人多しでかなーり目の保養でした。安っぽい衣装のせいで、「温泉ホテルのハワイアンショーに出演中の白人ダンサー」的な場末感が漂うのがなんとも気の毒でしたが‥‥。^ ^;

振付のムルドマは30年以上エストニアで活躍している女性振付家だそうで、今回のカルミナは昨年モスクワのノーヴァヤ・オペラで、衣裳を着けた合唱団や独唱者も舞台に立ち生演奏で上演されたと言うことです。曲が素晴らしいだけにそのバージョンで観ることが出来たらまた感想も変わったと思うのですが‥‥。
ううむ、今回見た限りでは興味本位で一回観れば充分な作品だな、と。

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「アダージェット(ソネット)」を観るのは5年ぶり?
前回の感想で、私はこの作品を「良くも悪くも、ルジマートフの「今」を一番よく表し、彼の中の生身の部分を提示しているバレエ作品」と書いた憶えがあるのですが、まさしく今回の舞台もそう。
ドルグーシンの創ったこの作品の芸術レベルは本来それほど高くなく、一方ルジマートフというダンサーはすでにそれを遙かに超える高次元にいる。だから、今回は特に「“ルジマートフの”アダージェット」でした。解釈とかニュアンスという以前に、実際の振りもずいぶんと変えていて、“改訂:ルジマートフ”ってクレジット付けた方がいいのではと思うぐらい。たぶんご本人は意識していないのだろうけど(笑)。
嬉しいことにAプロだけの上演予定だったこの「アダージェット(ソネット)」は、公演期間通して上演、今後のBプロにも追加されるということです。
と、言うことで、詳しい感想などは全部観てから書きますね。(今はちょっと言葉にならないや)

しかし本当に‥‥‥‥特別な、というか、不思議なというか‥‥‥‥希有なダンサーですよねぇ、ファルフ・ルジマートフという人は。
これほど「人間の深み」というものを感じさせ、同時に、「神に近い」と思わせる存在が、現実に「そこにいる」という奇跡。
───腕を伸ばし、くっと曲げるだけで、そこに異界が生まれ、別の時間軸が流れ出す───
今まで数え切れないぐらいバレエやダンスの舞台を観てきたけど、こんな不思議体験をさせてくれる人は、本当に、ルジマートフしかいないんだよねぇ‥‥‥‥。
あと数回観られることに感謝!
10/7の15:30の回を観てきました。
主役のカーリーは専科からの轟悠さん。相手役のローリーは城咲あいちゃん(かわいい〜)、敵役ジャッドは霧矢大夢さん(難しい役。がんばれ!)。越乃リュウさんがエラー叔母さん(男前!)でウィル・パーカーを青樹泉さん(かわいい!)、アリ・ハキムは研ルイスさん(良い味出てます)。あとは一色瑠加さん(オヤジ素敵)、夢咲ねねさん、美鳳あやさん。
月組生よく知らないのでキリヤン以外はほとんど初見。

ええーと、私、ハマースタイン&リチャード・ロジャースの「オクラホマ!」って、今まで縁がなくて、舞台も映画もまったく見たことがなかったのでありますが‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥すみません‥‥‥‥‥‥‥‥
この作品ってこれで合っているのでしょーか?‥‥‥‥‥‥‥原作もこんな感じ??? ^ ^;

悪くはないのです。古き良きアメリカンミュージカルな曲や牧歌的な振付は素敵だし、轟さんも月組生も元気で、愛を持って生き生きと舞台を作り出し、観客を喜ばそうとしているというのはすごく伝わってくる。
だけど‥‥うーん、まだ初日明けて4回目だからなのかな〜。ミュージカルナンバーのパートと、お芝居パートと、キャラと、役者が、乖離したまま、まとまりなく舞台に乗っちゃっているという印象で、良いとか悪いとかいう以前に、話がよく見えない(笑)。
1940年代に生まれた作品だから辻褄の合わないところや人物設定が古すぎるところがあるのは仕方ないのでしょう。回を重ねて舞台が練られたらそのへんのモヤモヤも解消するのかしら。この古めかしいミュージカルの中から、もう少し共感を得られるような、普遍的なものが立ち上がってくると、きっと良いのだろうなぁ‥‥と思いながら観ていました。

轟さんは素敵でした。
やっぱり、この人は、私にとって特別な人だなあ、と惚れ直してしまったよ(笑)
気に入っている生徒さんもたくさんできたし、特別に応援している生徒さんもいるけれど、宝塚の中で、私を「ドキドキさせる」のはやっぱり轟さんだけなのだよなあ、とうっとり再認識。
正直言って、陽気なカウボーイ役のカーリーは今の轟さんには合っているとは思えませんでしたが(大体「僕」キャラ似合わないよね、轟さん)、2幕で見せてくれた包容力とか、フィナーレの男前度とか(超カッコ良い〜はあと)、「スター」なラストとか観ちゃうと、うーん、素敵〜〜、と、すべてが許容範囲内に。
バランス的に言うと天真爛漫な主役のカーリーがきりやんで、汚れ役のジャッドを轟さんがやった方が、数倍まとまりよく、面白い舞台になったでしょう。
でもまあ、轟さんが愉しそうにカウボーイを演じているのなら、それはそれで応援しましょうという感じかな。(所詮ファンさ)
月組生をひっぱってがんばっていたと思うしね。

と、いうことで、ルジ週間が終わったあと、まだ当日券がでているようだったらもう一回みたいな〜と思っております。最後のフィナーレがすごく良かったし。
大劇場公演を観に関西へ出向いたついでに、翌10/1は、京都国立近代美術館で「プライスコレクション/若冲と江戸絵画展」を見てきました。
6〜7月に上野の国立博物館でやっていたのを見逃したのでこの時期に京都で開催されていたのはラッキーでした。
ものすごおおおーーーーーおおおおく、良かったです(ご機嫌♪)

若冲は最近ブームなのかよく雑誌などで見かけるし、その前から画集などでも見かけるたびに「うわ、かっこいーーー」と魅了されていましたが、本物を見るのは初めて。
いやあ、生はやっぱ違いますわ。すっげーーー、カッコイイ。みててドキドキしちゃったよ。
升目書きの「鳥獣花木図屏風」には圧倒されるし「紫陽花双鶏図」の緻密さには感動するし「猛虎図」の可愛らしさには心奪われるし「花鳥人物図屏風」等の水墨画の思い切ったラインや天才的デザイン感覚には心底脱帽させられるし。
江戸のアバンギャルド。エキセントリック。異端。奇想。独創。
私は「天才」にはからきし弱いし、それが「異才」とか「奇才」という傾向にあるのならなおさらです。
いやあ、見にいって良かったわ〜

あとは、長沢芦雪の作品群もすごく良かったです。独特のデザイン感覚とユーモア感覚が素晴らしい。
円山応挙の「懸崖飛泉図屏風」の美も忘れがたいなー。
うん、やっぱり日本画っていいね。すごく好き。

と、いうことで、この絵画展は京都では11/5まで。そのあと九州博物館で来年1/1〜3/11、愛知県美術館で4/13〜6/10という開催スケジュールだそうです。
ご興味のある方はぜひどうぞ。

京都国立近代美術館のあと少し時間が余ったので、お気に入りの東寺に行って、またもや立体曼荼羅(帝釈天〜♪)も見てきました。
前に言ったときには閉まっていた宝物館も開いていて、「東寺法会用具の美」という展示も見てきました。毘沙門天や千手観音の特別展示もあり。感動。
週末を利用して、大劇場まで行って、観てきました、コムちゃんのサヨナラ公演。
ミュージカル「堕天使の涙」は植田景子さん作・演出。
私ははっきり言って柴田氏以外の宝塚の作家にはまったく期待をしないことにしているし(ひどい脚本にもいいかげん慣れた)、植田景子氏の作品傾向も何となくわかっているので、「こんな舞台」なのだろうな〜〜と予想していたら、「まったくその通りの舞台」だったので、ちょっと苦笑してしまいました。なんつーかなぁ。分かり易すぎるよ、景子ちゃん‥‥‥‥^ ^;。
つーことで、以下は辛口感想です。
私の感想はとても個人的なものなので、もしかしたらこの作品に凄く感動する人も、大好きなのに‥‥と思う方もいるかも知れない。
要するにそういう、「好みが分かれる作品」だということです。
ネタバレでもあるので、これから観る予定の方は避難を。